2010-12-12

老い


実家に寄り、母と一緒に祖母の入院する病院へと向かう。
まだ出来て間もない病院はガランとしていて人影も疎らだ。市民病院とはえらい違いだな・・と思いながら病室に入ると、4人部屋の窓際に祖母は居た。しかし先月見舞った時はふつうに起き上がり元気そうだったのに比べ、今日は目を覚ましているのに横たわったまま迎えてくれた。僅かひと月の間に驚くほど老け込んでしまったようで、これはちょっとショックだったな。どうしたっていうんだろう?
母によると先月退院したあと家に帰ってからはあまり身体を動かさず、寝たり起きたりの生活だったらしい。そして今回入院して再び病室で横になるとほとんど動かなくなってしまい、それがかえって体力を奪い、身体の衰弱を早めているようなのだ。母はこの時も祖母を起き上がらせ、ベッドの上でも簡単にできる体操をするようにと勧めていたが、当の祖母が身体のあちこちが痛いと言って身体を動かしたがらない。動かさないから関節や筋肉が凝ってしまい痛みを引き起こしていると考えられるが、痛いから動きたくないという祖母に無理強いも出来ず、痛いところを揉んだりさすったりしてあげるしかなかった。
根本的に祖母は自分から動いてやるぞ!という気力を失ってしまっているようだ。表情を見ても生気がない。なにか投げやりなのだ。その後も母が甲斐甲斐しく世話を焼いて、僕もそれを手伝いながら『介護は本当に大変なことだな・・』と今更のように思い直し、いま祖母を介護している母をいつか僕が介護する日が来るかも知れない・・と考えずにはおれなかった。

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