2009-11-24

鯖とSertab


雨の気配が迫る中、住宅街を抜ける曲がりくねった狭い道を運転席側の窓を全開にして走っていると、突然鯖を焼くいい匂いが車中に充満した。しばらく走ってもその匂いは車内に留まり僕の脳を刺激する。折しも大音量で流している曲はトルコの歌姫Sertabで、トルコと鯖とくりゃーイスタンブール名物の鯖サンドを思い出さずにはいられない。
ヨーロッパ側のガラタ橋のたもとに係留した、激しく揺れる小舟の上で次々と鯖の切り身が焼かれ、トルコパンにざっくりと切られた生タマネギと一緒に挟み込まれただけの実にシンプルなサンドイッチだが、脂の良くのった鯖とタマネギ、そしてトルコパンの三者が絶妙な旨味を醸し出し、2週間ほどのイスタンブール滞在中は病みつきになって毎日のように買い求めたものだ・・ああ、もう一度食べにいきたいな・・
単なる鯖を焼く匂いだけで、今日はちょっと幸せな気分に浸ることが出来ました。普段は思い出さないようなことも、ちょっとしたきっかけで記憶の奥から一瞬にして引き出されて来る。それが良い思い出か、悪い思い出かは別として、そこを通って来た自分を僕は『いいんじゃない?』と、受け入れる。

0 件のコメント: