2008-05-31

記憶


その時は『こんなこと忘れるはずが無い』と思っていたことも、案外あっさりと忘れてしまうもので人の記憶力の頼りなさを実感しているが、反面ひとつのきっかけさえ掴めば溢れ出るように記憶が甦り、全然思い出されなかったものがこんなにも鮮明に思い出されるものか・・と人の記憶力の凄さも同時に実感している。
思い出せなかったのは6年前にチベット文化圏を旅行した時の足取りで、ある一部分がすっぽりと抜け落ち曖昧なのだ。一緒に旅をした妻が日記を付けていたが聞くのも癪なので、チベット文化圏を網羅したガイドブックを購入し復習することに。すると何ともあっさりと当時の足取りが判明し、何枚もあるデジカメ写真とバラバラだった自分の記憶の中の断片が見事に一致し、その街に滞在中にあった様々なことまではっきりと思い出され、何ともスッキリし清々しい。気っぷの良いチベット人のお姉さんと2m近い身長の朴訥な旦那さんが切り盛りするレストランやその名物メニューの巨大ヤクハンバーガー。それを粋がって注文し大後悔している若い白人バックパッカー。ちょっとした勘違いでブチ切れ中指立てて白人バックパッカーを挑発し、その後自分の勘違いに気づき大いに凹んで『I'm sorry』と詫びを入れる愚かな僕など、それらを思い出しほくそ笑みながら『俺って馬鹿だよな〜』と感慨に耽る。これもまた旅であり、僕にとってはかけがえの無い大切なひと時なのだ。

For The People Of Tibet

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