2008-05-12

連鎖


災禍は不思議と連鎖するもので、南で天が怒れば北で地が鳴動する。いずれも人はただ翻弄され為す術無く右往左往し、立ち尽くす。命を落とす者、運良く助かる者、その違いは一体何だろうか・・?
今回の大地震の震源とされるアバ・チベット族チャン族自治州ブン川県は6年前に訪れたことのある地だ。この時は四川省の省都成都から世界遺産として登録されている九寨溝と黄龍へ向かう途中に寄ったもので、長距離バスがひたすら山の間を縫って走っていたこと以外はあまりはっきりとした記憶が無い。ただ、山肌にへばりつくようにしてある民家などが多かったことを思えば、今回の地震で中央政府が把握しきれていない被害を受けているのは確実で、道路網も寸断されてしまっているだろう。気にかかるのはこの地域一帯も今回のチベット問題で徹底的に弾圧されたところで、それが理由で地震被害者の救助の手が遅れたり援助物資が送られなかったりすることがないよう願うばかりだが、現実的にはその地方へ進出した漢人を助けるのを第一義として中央政府が動くか、この地震を期にチベット文化圏への支援を積極的に行なって対外的にアピールし、チベット弾圧問題をぼかしてしまおうと言う魂胆で対応するか、いずれにせよ困窮している人々が助かるなら理由はどうであれまずは助け、被害の状況を隠すこと無く公表すべきと思う。

For The People Of Tibet

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