2018-12-23

埋葬の日

















夜中、激しい雨音で目が覚めた。
冬のシアトルは日本海側の気候に似て雨が多く、ほとんど晴れる日がない。「この分だと雨の中での埋葬となるかも・・」と、再び眠りにつく。
明るくなってからも雨は降り続いていたが、シアトル北郊にある墓地に着く頃には雨も上がり、雲間から青空も見え始めた。
墓地に来るのはこれで3度目になる。海を望む広大な緩斜面に芝生が広がり、墓碑や石板が規則正しく並んでいる。この一帯は主に日系人によって占められ、その中に妻の一族の墓もある。
その一族の墓には雨の多いシアトルならではの配慮で移動式の仮屋根が設置されており、雨天の葬儀にも対応できるようになっていた。
親戚一同20余名が集まったところで葬儀が始まったが、儀式的なものは何一つなく、義母の3人の妹たちや妻それに長女と次女が義母との思い出や詩などを読み上げ、骨壷を埋葬し、参列者皆で長女の折った折鶴と花を手向けて埋葬の儀は終わった。
わずか30分ほどのことだったが、葬儀とはこうあるべきものだと感じさせる愛のこもった感動的なものだった。
その後、皆でダウンタウン・シアトルに面したエリオット湾を見晴らせる、眺望最高のレストランで食事をしながら義母の思い出話をし、笑ったり、涙ぐんだりと、とても充実したひと時を過ごすことができた。その後は叔母の家に場所を変え、そこでまたディナーを共にしながら義母を偲んでいた。
こういうのって素敵だな・・と心から思ったね。
パーティー好きだった義母が生前望んでいたかたちの葬儀を無事終えることができて、妻もほっとしていた。
さあ、明日はクリスマスイブ。
イブは妻のいとこの家でクリスマスパーティーだ。

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