2014-08-11

メソポタミアの末裔














イラクの混迷極まれり。
政治家は権力争いに明け暮れ、統治行政に空白を生み、そこを根城に武装勢力が蔓延る。
狭量な考えしか持たぬ『イスラム国』なる武装勢力は他の宗教を許さず、剣とコーランを以て二者択一を迫る。つまりイスラム教に改宗するか死かだ。そんな彼らの迫害から逃れようと灼熱の山岳地帯へ逃れたヤジディ教徒5万人を人道の危機から守るという名目でアメリカは限定的な空爆を開始したが、 それがどれほどの効果を生むかは未知数だ。
バグダッド周辺ではシーア派を中心としたマリキ首相派が勢力を広げ、北部方面ではクルド人が強力な自治権を行使し、主要油田を含む支配を確立している。一方シリアとの国境地帯には広範に『イスラム国』が展開し、シリアの内戦を通じて実戦経験豊富な戦闘員が多数参加して指揮を執っている。この三つ巴とも言える闘いに三たびアメリカが介入し始めたのだ。
アメリカの参戦でとても状況が改善されるとは思わない。空爆によって『イスラム国』の行動はかなり抑制されるだろう。しかしアフガニスタンの『タリバン』同様その時は一時的に弱体化するかも知れないが、決して滅びることは無い。彼らが自滅する以外はね。

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