2010-04-27

時効廃止


本日午前0時を以て殺人や強盗殺人など重大犯罪に対する公訴時効制度が廃止された。
人を殺めた者が、ある一定期間うまく逃げおおせば刑事訴追を免れるという時効制度には当然のごとく違和感を感じ、『犯罪被害者の会』が時効制度廃止を求める運動も理解できた。犯人が25年逃げ隠れし時効を迎えても、犯罪被害に遭った遺族が受けた悲しみや苦しみには時効など無い。その点から考えると殺人犯には刑法上に於ける『区切り』があるのに対して、残された遺族には何の救いも無く更に事件の時効成立によって追い討ちをかけるような理不尽な結果となる。そもそもなぜ公訴時効制度があるのか?については各自調べていただきたいが、現在の社会的状況やDNA鑑定などの捜査技術の進歩によって、公訴時効制度の見直し機運が高まりそして今日、重大事件に対して廃止されたことは時代の流れからして致し方の無かったことではないか。しかしこれにより『cold case』がうずたかく積まれることも確かで、その処理を法務省はどう考えているのだろう。
公訴時効制度については各国様々だが、やはり殺人などについては時効を設けていないところが多いようだ。今回の廃止措置によって殺人犯は死ぬまで追及を受け続けることになる。だからと言って犯罪被害者が癒されることも無いし、殺人犯が罪を償い赦しを請うことも無いだろう。じゃあ、一体何のための公訴時効制度廃止なのか?という思いもある。僕がどう考えようとも時効制度は廃止されたのだ。でも、何か腑に落ちないところがある。それが何なのか、まだ考えが纏まっていない。

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