2013-08-20

混沌















エジプトはいったいどこへ向かおうというのか?『アラブの春』に象徴される民主化デモで長きに渡り君臨して来たムバラクを失脚させたものの、その後初の民主的選挙によって選ばれたムスリム同胞団のムルシは軍のクーデターによってその座を追われ、国内情勢は混乱を極めている。当然のごとく主産業である観光業は大打撃を受け、今後経済的にも逼迫して来ることだろう。そうなれば社会的不安はさらに増し、混乱に拍車をかけることになる。軍はムスリム同胞団を力で押さえつけることが出来ると考えているようだが、それにはあまりにも多くの人を殺し過ぎた。その恨みは深く、必ず過激な復讐劇となって人々を震撼させるに違いない。まさに負の連鎖だ。
中東の多くの国の権力者は民主化なんぞ望んでいない。自分達の権益が失われるからだ。それら権益を守るためには民衆を殺すことなぞ屁とも思っていないだろう。エジプトが強大な軍事力を背景に民主化を求める者らの弾圧に成功すれば、サウジを始めとした中東各国はホッとするだろうが、もし民衆を押さえることに失敗すればこれが更なる混乱の引き金となり中東の未来は予測不能の状態となる。
混乱の果てにあるものはなんだ?自由か?それとも明るい未来か?
あるのは経済の疲弊と対立だけだ。
それから立ち直ることが今のエジプトに出来るのだろうか?

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