2023-11-27

束の間の平和


 ハマスとイスラエルの停戦が4日目を迎えた。双方人質や拘束者を解放しあい、ハマス側はさらに人質を解放することで停戦期間の延長を打診しているという。イスラエル側では戦闘を継続してハマスを壊滅させるべきという強行な意見も多い様だが、それが短時間で為せるわけもなく、戦闘を継続すればさらに多くの死者を出して世界からの批判は避けられない。かと言って停戦に合意してしまえば国内の右派強硬派から弱腰だとの批判を受けるはずで、ネタニヤフ政権は出口のないジレンマに晒されている。一方のハマスもたとえ停戦が為ったとしても主要インフラは徹底的に破壊され、多くの人が住む家も仕事も失い生活に困窮するのは目に見えている。その恨みの矛先がイスラエルに向かうのか、この災禍の引き金を引いたハマスに向かうのかは分からない。いや、人々は双方を恨むだろうね。ハマスに対しては愚かなことをしでかしその巻き添えを喰らわされたことに対する怒り、ヨルダン川西岸を支配するパレスチナ自治政府に対しては、その無力無能さに対しての怒り、そしてイスラエルに対しては自分たちを動物同様に扱うことへの激しい憎しみ、つまり極度の貧困の中で強い怒りや憎しみの感情が生き抜くエネルギーとされる社会がガザに新たに誕生することになる。そこから生まれた者が将来何をもたらすかはわかり切ったことだ。

これ以上の死者はもういらない。誰も戦闘で死ぬ必要などないのだ。

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