2023-10-22

情勢は変わりつつある


 イスラエルとハマスの戦闘に関し、アメリカをはじめとする欧米各国はイスラエルに対して白紙の小切手を切るが如くに無条件でイスラエル支持を打ち出し、それに勢いを得てイスラエル軍はやりたい放題をしている。先に行われた国連の安全保障理事会でも議長国ブラジルが提出した停戦案をアメリカが拒否権を行使して廃案にするなど、ハマスの残虐行為とは無関係なパレスチナ住民が無差別爆撃を受け殺され、家を追われ、水も食料もない状態に置かれている。これは明らかなる人権侵害であって、未曾有の人道危機だ。この状況に対して当のアメリカやイギリス、フランスなど各国で停戦を求める大規模なデモが行われている。このデモにはパレスチナ系の人はもとより、多くのイスラム教徒に加えユダヤ系人も多く参加していると言う。そしてイスラエルだけではなくそのイスラエルに免罪符を渡した自国政府を批判する動きも見られるらしい。ひと昔前だったらイスラエル支持一辺倒で終わってしまっただろうが、今は各国で移民が増加したこと、プロパガンダ色が強いメディア以外からネットを通じ情報を得られるようになったことで、必ずしも国民は国の思い通りにはいかないことを見せつけている。

人々はなぜデモをするのか。それは兵士でもない一般の人々が殺されるのを止めるためだ。イスラエル・パレスチナのどちらかを支持するという単純なものではなく、誤った行為は非難し、正しい行いを求めるというものだ。ハマスがイスラエルに行った行為は非難され、また現在イスラエルがパレスチナに行っている空爆や退去通告、外部との完全な遮断などもまた非難されている。人々が求めるのは国同士のパワーゲームに勝つことではなく、正しいことが行われることだ。

イスラエルはこれまで国連の決議をずっと無視し続けて来たが、今後もそれが続くかどうかは誰にも分からない。ただ、イスラエルの悪事を許容する人が徐々に減って来ていることだけは確かなようだ。

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