2015-01-22

死ぬも生きるも














 生と死を分ける一瞬は、普段ののほほんとした生活の中ではあまり訪れる機会が無いかもしれない。しかし生死が激しく錯綜する紛争地においてはそんな瞬間なんぞ日常茶飯事のことだろう。
今回拘束されている後藤さんもそんな生死のラインに足を一歩踏み込んだ人間の一人だ。彼にはシリア・トルコ国境においてイスラム国支配地のラッカに向かうか否かの判断を、誰に強制されることなく自分で判断する機会があった。そして彼はリスクを取ることを決意した。
いったい何が彼の背中を押し、危険極まりない地へと向かわせたのか?
我々は少ない情報の中から推測することしかできず、真実を知る由も無い。だが一つだけ分かっていることは後藤さんは決して自分の為にその地へ赴いたわけではないということだ。

後藤さんは今回のシリア入りに際して相当悩んだことだろう。悩んだあげく彼が導き出した答えが『生きる』道を選ぶということだった。彼にとっての『生きる』道とは自分が正しいと思ったことをひるまずに実行するということ。もしそれができなければジャーナリスト後藤健二ではない・・死んだも同然じゃないか・・そんなふうに考えたのかもしれない。


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