2012-07-10

カメの不思議


大体一週間に2回ほど我が家の前の堤防上でカメの産卵行動を観察することが出来る。その大半は朝方で、おそらくカメ達は日の出とともに陸に上がり、産卵場所を定めて穴を掘り始めるようだ。なので毎朝5時半頃にJackieの散歩に出ると、せっせと穴を掘っているカメによく出くわす。ただ、不思議なのはしょっちゅう見かけるこれらカメ達のすべてが産卵するわけではなく、穴を掘ったものの産卵せずに引き上げてしまうケースの方が多いようだ。もちろん僕やJackieの姿を見て驚いて中断してしまうものもいるだろうが、ほとんどのカメは僕達が前を横切れば首をすくめて警戒するものの、行ってしまえばそのまま作業を続けるものがほとんどだ。
なぜ産卵しなかったか?放置されたいくつもの穴を観察するとそのほとんどが5cm前後と浅く、深さを十分確保できなかったために諦めたように感じる。そんな穴の底はなんせ堤防上ゆえ大きな礫に突き当たりそれ以上掘れなかったり、ススキや葛の地下茎がびっしりと張っていたために掘れなかったものなど様々だ。そうやって産卵を諦めたカメは再びチャレンジしに来るようで、昨日の朝は2匹が30mほど離れた場所で同時に穴を掘っていたが、夕方に確認すると穴は口を開けたまま放置されており、そして今朝Jackieの散歩に出ると昨日の穴と近い場所に産卵したような痕跡を発見した。もう何度もカメの産卵場所を見ているので何となく雰囲気で分かるもので、スコップで軽く掘って確認すると確かに卵が産みつけられていた。ただし小さな赤アリが穴にたかっており、もう少し調べると一番上の卵が割れており、そこに赤アリが集まって来て漏れ出た黄身などを巣に持ち帰っているようだった。赤アリ達が襲って卵を割ったのか、それともカメが産卵後に埋め戻す際足に引っ掛けて割ってしまったのか定かではないが、このままでは卵がすべてアリの餌食になりかねんので採卵することにした。
卵は全部で11個。そのうち1個が割れていたので計10個を慎重に掘り出して程よい土を敷いた植木鉢に移し、土を被せて仕込みの出来上がり。これで現在3つの植木鉢で計30個ほどの卵を観察中だ。全部孵るとは思っていないが、10匹程度は大丈夫だと思う。クサガメかミドリガメかも分からないが、いずれにせよ孵化したものはすべてある一定の大きさまで育てて川に帰すつもり。カメの卵の観察もなかなか面白いもんだよ。

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