2024-12-03

中東混沌


 イスラエルとレバノン政府が停戦に合意したものの、イスラエル軍はヒズボラへの攻撃を続け、それにヒズボラが反撃すると言った具合に早くも停戦合意は形骸化している。これは当初から予想されたことで、停戦合意はあくまで去りゆくバイデン大統領の顔を立てただけのことだろう。そもそもネタニヤフが停戦を継続するなんてあり得ず、ガザへの容赦の無い攻撃を繰り返している点を見ても戦争をやめる気なんかないのが良く分かる。

そんな混沌とした中東情勢の中、新たな火の手が上がっている。それはシリア政府と反政府勢力との内戦だ。もう14年も続いているがここ最近は目立った動きはなかった。それが先月末から反政府勢力が大攻勢に出てシリア北部の主要都市アレッポを制圧し、それを奪還すべくシリアとロシア軍が空爆を繰り返して多くの犠牲者が出ている。なぜこのタイミングで反政府勢力が攻勢に出たかというとウクライナ・ロシア戦争でロシアの影響力が弱まっていること、同様にシリア政府を支えてきたイランとヒズボラもイスラエルとの抗争で力を失いつつあることが大きな要因だろう。

紛争は各地に飛び火すると言われるが、ここまで反政府勢力の動きが活発化するとは思わなかった。このシリアの動きを受けて他の地域でもパワーバランスの歪みを突いた攻勢が勃発するかもしれない。

中東は益々混乱を深めている。次はその火の手がどこに上がるのだろうか・・

 

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