2010-10-17

土を喰らう


野菜高騰が騒がれている昨今、相変わらず我が家はほとんど野菜を買わずなんとか凌いでいる。夏から元気いっぱいのオクラは少々堅くなったものの未だにかなりの収量を見せ、妻なぞは『もうオクラはたくさんだ!』とギブアップ宣言。ダメ元で植えた十六ささげはこのところの暖かさで勢いを取り戻し、見事な莢を何本も実らせている。秋キュウリはいよいよ終焉を迎え枯れ始めたが、反対にナスは穫れ過ぎない程度で至って順調だ。そうそう、ピーマンは一時期かなりの虫害で弱っていたが気温が下がると同時に虫達も去り、こちらはちょっと穫れ過ぎだな。まだまだ他にカボチャもあり、モロヘイヤもあるが、ここらで菜っ葉が食べたくなって来た。しかしほうれん草はまだ小さ過ぎるし、レタスも同様、かといって買ってくるのも癪に障る。そう思っていたらいいものがあったよ。大根の葉っぱだ。だいぶ大きくなって来た大根はすぐらねばならず、それを美味しく頂こうってわけだ。そしててきとーに調理して菜っ葉を食べることが出来ました。
このように、我が家の食卓は品数が多いが、そのほとんどが冷蔵庫を空ける為に食べねばならぬ野菜がばかりで、おそらく僕の野菜消費量はウシには及ばねどヤギ並だと自負している。

土作りから始め収穫までの一連の作業に汗水流していると、そこから穫れた作物を喰らうことはまさに『土を喰う』ことだと実感する。

土から生まれ、土を喰らい、そして土に還るのだ。



山本君の奥様の、さとみさんからのメールを掲載します。朝日小屋のHPから転載させて頂きました。

``````````````````````````````````````````````````````````````

Subject: カトマンズより

 ご支援くださった皆様へ

 現地家族会の山本です。
 今日は、山本季生の妻・さとみとして、今の思いを聞いていただけたらと思います。

 今回の捜索では、本当に多大なるご支援をいただきまして、ありがとうございました。本当に力になりました。
 そして、正直なところ、季生は好きに勝手に山に行き、皆様にご心配をおかけし、助けていただくなんて、身にあまる思いで、恥ずかしくも思いました。

 事故の一報のあとは、もう生きて帰ってくることはないだろうと思いましたが、生前、季生より「山で死んでしまったら、荼毘にふしてほしい」と言われていましたので、遺体はみつけてあげたいと、心の中で思っていました。私と家族の力だけでは、こんな大掛かりな捜索は、まずできませんでした。

 今回は現場の状況が厳しすぎて、季生の最後は見つけられませんでしたが、この捜索隊は、日本の山岳界をリードしていく強い男達の、そして彼らを信頼してついていってくれたシェルパ達の、見事なまでの連携プレー、知恵と力の集結でした。圧巻でした。感動しました。
 私の気持ちのうえでも、皆様からの支援に対しましても、やり残したことは何もありません。

 ベースキャンプから戻った季生の荷物をほどいていて、驚きました。
 8000m峰に向かう男の荷物とは思えないほど、いつもと変わらないものばかりでした。
 彼は本当にいつもつつましく、自分のことにはお金をかけず、自分の持っているだけのものを持って、山に向かって続いている彼の道を歩んで行っただけなんだなと思いました。
 こんな生き方もあるんですね。

 私も、また今ここから、彼の残していってくれたものの中に、いろんなことを乗り越えていくヒントをさがしつつ、彼の生きた証と共に、いっそう力強く、大切に、感謝しながら生きていきたいです。

 長くなりましたが、本当に本当にありがとうございました。

 カトマンズからの報告はこれで最後とさせていただきます。

 皆様に、一瞬でも長く、幸せを感じていられるときがありますように。
 そしてそれを、大切な人と共有できますように。

 合掌   山本さとみ


``````````````````````````````````````````````````````````````

山本季生君とさとみさんからの、メッセージ


「山本季生君を救援する会」から、皆様へ


山本季生君の救助・捜索活動に関わる、カ ン パ ご 協 力 の お 願 い

0 件のコメント: