イスラエル軍がハマスの現指導者で襲撃事件を首謀したと言われるシンワル氏を殺害した。ネタニヤフは鬼の首を取ったように喜び『恨みは果たした』と言ったそうだが、次から次へとリーダー格を殺害し、それでどうやって100人近い人質の解放を目指すというのだろう。ハマスが組織的な動きができなくなれば、人質に関わることで身の危険を感じた構成員達は人質を殺して姿をくらまそうとするだろう。まさに証拠を隠滅するためだ。ネタニヤフは人質を差し出せば身の安全は保証すると言っているが、そんなことを信じるバカがどこにいるだろう。彼らは始めこそ安全を保証するかもしれないが、必ず息の根を止めるため家ごと空爆するなど苛烈な対応をしてくるのは間違いない。つまり人質の命は絶望的であり、ネタニヤフは初めから人質の命を救うことなど考えていなかったということだ。
シンワル氏が殺害される直前というドローンから撮影された動画が公開されているが、破壊された住宅の中にあるソファーに座るシンワル氏とされる人物は、ドローンを確認しても力無く板材を投げつける程度の抵抗しかできず、護衛の姿も見えず一人きりだ。それに加えどこか投げやりな雰囲気からすれば、彼はすでに指導権を失っていると見たほうがいいだろう。もしくはそれほどまでにハマスが壊滅しているということになるが、ハマスは声明を出し続けているので組織が瓦解したとは思えない。そう考えたとき真のハマスの怖さが分かった気がした。ハマスはいわば細胞の様なものだ。一つのセルを潰しても無限増殖を繰り返し次から次へと増えてゆく。シンワルを殺しても第2・第3のシンワルが現れ決して消滅することはない。イスラエルはそんな者達と戦争をしているのだ。この戦争に勝者は無く敗者もいない。あるのは永遠に続く復讐の連鎖だけだ。
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