2009-06-15

枇杷美味し頃


僕の好物の一つが枇杷であることを知る人は少ない。二十歳前後の頃、毎週のようにオフロードバイクに乗って山へ出かけていたが、かなり山奥まで入り込んでいたので今は誰も住まぬ過疎の村に出くわすことも度々あった。それが今時分の季節だと大屋根が朽ち落ち、荒れ放題の民家の庭に残された見事な枇杷の木が、黄金色の果実をたわわに実らせており、それを遠慮なしに貪り喰ったときの喜びは今でもよく憶えている。その他にも小学生の頃、近所の寺の鐘撞き堂の脇に生えていた枇杷の大木から、住職の隙を突いて実をかすめ取ることが何よりスリリングで、その実がまた格別にうまかったこともいい思い出だ。こんな風に枇杷を見つけたらかすめ取ってでも喰う!という性質なので、いま我が家とその隣にある畑とのちょうど境際にある枇杷の木の存在は僕を毎日誘惑して実に危険だ。
ところが去年のこと、この畑の持ち主から我が家の庭に越境するかたちで枝を伸ばした枇杷の木の、我が家側に生った実はどうぞ自由に穫って食べて下さいとの許しをもらった。その量たるやザルに山盛り2杯分はあっただろう。これほど枇杷を食べた年は無かったな。
そして今年だ。先日畑をやりに来られていたお隣さんに、遠慮なしに『今年も実をもらってもいいですか?』と聞くと、『もちろんです!』と快諾してくれた。これで心ゆくまで枇杷を楽しめそうだ。もちろん枇杷の苗も育てているので、いずれは自給自足できるようなるだろう・・と、淡い期待を寄せている。

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