2022-01-15

心の孤独













突然出てきた『拡大自殺』という言葉。これは英語の 『extended suicide』を直訳したものだろうが、目に付くようになったのは最近こういったケースが増えてきたためだろう。大阪の放火事件然り、そして今日起きた東大での死傷事件など、全く自分勝手で酌量の余地は微塵もない。死にたいのなら自分一人で崖からでも飛び降りればいい。なぜ人を巻き込むのか。それも共通一次試験の当日を狙うとはあまりにも卑劣過ぎて言葉を失う。今日その場にいた受験生はおそらく東大を受けるような人たちなら、幼少の頃より遊びたい時間をかなり犠牲にして勉強を続けてきたはずだ。そしてその集大成の日にこんな事件を起こされてしまっては、刺された本人たちは当然のこととしてその場に居合わせた人たちも相当の精神的ショックを受けていることだろう。17歳の少年が起こした行為は多くの受験生が様々なものを犠牲にして何年にも渡って積み重ねてきた努力を踏みにじるもので、その罪の重さは計り知れない。今後心配されるのはこういう理不尽な行為を真似る連中が必ず現れるということだ。そしてこれはほとんど防ぎ様が無い。

いつの時代も『心の闇』を抱えた人は大勢いる。しかしその闇をこういった形で出す人は極僅かだ。自分の自殺願望や自暴自棄がなぜ他人を巻き込んだ攻撃に置き換えられ、未遂で止まらず実行してしまうのか。他人を巻き込むのはやはりどんな形であっても人との繋がりを欲しているからではないか。『心の孤独』を防ぐことができればこういった事件は減るのではないかと自分は考えている。

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