2023-09-26

影響力低下


 旧ソ連周辺諸国がきな臭くなって来ている。アルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフを巡ってアゼルバイジャンが攻勢を仕掛け、アルメニア系武装勢力が事実上降伏する形で大量の難民が発生している。イスラム教徒が多数を占め、トルコの後ろ盾を持つアゼルバイジャンと、アルメニア正教を信奉しロシアの援助を受けて来たアルメニアは今まで何度もナゴルノカラバフの帰属を巡り血みどろの争いを繰り返して来た。その度にロシアが顔を出して来て均衡が保たれて来たが、ロシアによるウクライナ侵攻によってロシア側にアルメニアの面倒を見る余裕がなくなり、そこを見透かされてアゼルバイジャンにナゴルノカラバフを奪取された形だ。

不安定化しているのはここだけではなくコソボやキルギス・タジクの国境紛争など、今までロシアの影響下で沈静化していた紛争が、ここに来て再燃し始めている様相だ。特にナゴルノカラバフの顛末を見守っていた国々は『動くならロシアが弱っている今しかない』と攻勢に打って出る可能性が高く、ロシアにはもはやそれらを抑える力は残っていない。そういった意味においてロシア弱体化の影響は今後どういう展開を見せるのか非常に気になるところだ。

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