2023-01-15

虚ろなる死


 相変わらずロシアによるミサイル攻撃はウクライナ全土に向け続いており、今回もまた民間の集合住宅が直撃を受けて多くの死傷者が出ている。なぜ戦闘員でもない一般の民間人を殺す必要があるのか。無差別攻撃を繰り返すことでウクライナ国民の恐怖心を煽り戦意を挫く狙いだろうが、長い目で見れば逆効果でしかない。身内を殺されたウクライナ人はロシアの所業を決して忘れはしない。むしろいつか必ず復讐すると心に誓い、それを為そうとするだろう。

ウクライナを攻撃した時点でロシアの敗北は決まっていた。大義なき戦いに勝利なぞ無い。あるのは多くの死のみだ。グローバル化の今、局地的な戦争がいともたやすく世界を巻き込み、その影響はとてつもなく大きい。よもやそんなことになるとは思わず始めた戦争なんだろうが、今では状況が日々悪化の一途を辿っているにもかかわらず止められずにいる。止められない理由はなんだ、それは戦争を止めた時点で自分の権力が失われ、死が待っているからだ。だからプーチンやその取り巻き達はなんらかの形でウクライナに勝利せねばならない。その勝利を勝ち取るためには彼らは何でもするだろう。そんな彼らを止めることができるのは唯一ロシア国民だけなのだ。彼らが目を覚さない以上、この無意味な戦争は延々と続けられ、日々死者の数だけが積み上げられてゆく。まったく虚しいことだ。


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