2022-05-12

致命的失策


 フィンランドがNATOに加盟する意志を表明した。これにロシアが強く反発しているというが、そもそもロシアがウクライナに侵攻しなければフィンランド、それに続くと思われるスウェーデンのNATO加盟への模索はなかっただろう。特にソ連による侵攻を受けたフィンランドにとってウクライナの惨状は我が事のように思えるはずだ。ウクライナ同様ロシアとの国境は長距離に及び、どこからでも侵攻を受ける可能性がある中で強大なロシア相手に自国のみの防衛は不可能だ。ところがウクライナが西欧諸国からの武器支援を受けて反転攻勢を強めている様子を見れば、むしろNATOに加盟した方が確実に西欧諸国の支援を受けることができ、戦争を未然に防ぐ抑止力としても機能するはずで、現時点の世界情勢からすると必須の選択肢と言える。今までのようにロシアに気を使ってNATO加盟を保留していても、いつ何時なんの理由もなくロシアが侵攻してくる可能性があるということが証明されたので、座して待つ理由は何もなくなった。そういう状況を自ら作り出しておいてそれを非難するなんて愚かの極みだ。全ては大国としての傲りが生み出したもの。その傲りが国を窮地に追いやる様をしっかり見届けてやるつもりだ。

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