2006-11-29

別れ


二十歳の頃、滋賀県湖北地方のある村に毎日のように通い写真を撮っていた。そこで1人の老人と仲良くなりいろいろなことを教えてもらった。その老人を撮らせてもらうことで『写真とは?』ということが解りそうな手がかりを得つつあった。いや、直感的には解ったと感じていた。
しかし、老人は亡くなってしまった。
信じようが信じまいが勝手だが、ある夜不思議な夢を見た。とてつもなく眩しい光・・黄色っぽい輝きに包まれる夢。
明くる日、妙に胸騒ぎがしたので2週間ぶりに老人を訪ねてみた。が、昨夜他界されたということだった。
手にしたはずの何かは消え去り、それ以来写真が撮れなくなってしまった。
いまだにそのことを引きずっている。解っていたはずの『何か』を知る手がかりは残された写真のみだが、写真はそれを語ってくれない。違う!写真は語っているはずなのに僕が聞き取れないのだ・・

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