2024-04-26

あの日の顔を忘れない


 中華航空機墜落事故から30年が経った。この事故のことはよく覚えている。というのもこの事故から間も無くして那覇まで飛んだからだ。実はこのフライトが人生2度目のことでずいぶん緊張していたので、ドキドキしながら離陸の瞬間を待っていた。そして徐々に加速し始めた時ふと目の前のスタッフ用シートに座っていたフライトアテンダントの表情に目が釘付けとなった。彼女は鬼気迫るような表情でじっとあるものを見つめていたからだ。そのあるものが黒焦げの状態で滑走路脇に残されていた中華航空機の残骸だった。267名もの犠牲者を出した未曾有の航空機事故が起きたばかりで、当然自分も『大丈夫だろうか』という心配は常にあった。今でもあの時の彼女の表情をはっきりと覚えている。常に危険と隣り合わせの仕事であることをあの残骸は否応なしに突きつけて来ただろう。その現実が彼女の表情を硬くしていたとしても何ら不思議ではない。

1月には羽田空港であわや大惨事という航空機同士の衝突事故が起きた。この時は奇跡的に全員無事脱出することができて旅客機側には被害者が出なかったが、改めて航空機事故の恐ろしさを見せつけられた思いがした。どうかこれからも中華航空機墜落事故のような悲惨な事故が起きないよう心から祈りたい。

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