2009-03-22

無能のメディア


海外ニュースをチェックすると『チベット僧ら数百人が警察署襲撃…中国・青海省』というタイトルで各メディアが速報を配信しているが、そのどれもが中国国営新華社通信が配信したものをそのまま流しており、内容を読んでもそれが事実ではない可能性が高いと分かるものなのに、まるで何も考えずに配信しているとしか思えず、読売はいざしらず時事や産経までもが同じことをやっており、メディアの質の低さに暗澹たる思いがする。そもそも中国国営の新華社がチベットについての報道で公正な立場に於いて事実を報道することなどあり得ないことだ。それはまずこのニュースのタイトルからしてそうだ。『チベット僧ら数百人が・・』この部分だけであたかもチベット僧が群衆を先導したような印象を与えている。さらに『警察署襲撃』だ、おそらく新華社なら何かの抗議行動、たとえば無言のデモ行進であってもそれを襲撃と書き立てるだろう。その中に実際チベット僧が居ようが居まいが関係なく、そう書くことで愛国心に燃える漢民族の若者らを煽り、チベットに対する憎悪心を根深きものにしている。この点では鬼畜日本教育と共通している。

それにしてもさ、『チベット仏教僧侶100人近くを含む数百人の群衆が警察署を襲撃、地元政府職員数人が軽いけがを負った。騒動は22日までに収まり、警察が6人を逮捕したほか、89人が自首した。この95人のうち、2人を除く全員が地元寺院の僧だったという。(読売新聞)』何かの怒りに駆られて警察署を襲撃した者らが自首などすると思うか?しかも100人近く参加した僧侶のうち89人が自首したとなると、これはもうデモ行進をしていて不当に逮捕され、暴徒との濡れ衣を着せられているのは明らかだ。この浅はかな文面の裏には多くのチベット人たちの苦しみが見て取れ、心が痛む。
中国国営の新華社が事実をねじ曲げた報道をするのは当然のことだ。その報道を鵜呑みにしてかどうかは知らんが、何も考えず、ひと言も書き添えることなく再配信する各メディアよ。お前達は恥を知れ!

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