旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊治療を強制された人たちに対し、最高裁は旧優生保護法は憲法違反であるとし、国に賠償を命じる判決を下した。
こういった類の裁判に関してはどちらかと言うと国の主張に寄り添った判決が下される傾向があるので最高裁がどういった判決を下すか心配していたが、今回は 国が長年に渡って障害がある人などを差別し、不妊治療の強制など重大な犠牲を求める施策を実施して来たことの責任は極めて重いとして国に賠償を命じたので、ひとまずはほっとしている。
そもそもこんなことが国の施策として行われていたことが信じ難く、初めて聞いたときには文字通り耳を疑ったよ。だってこんなことをするのはナチスぐらいだと思っていたからね。それを日本政府が平然と行っていて、しかも戦後すぐから50年近くも続けられていたなんて恥でしかない。今回最高裁が旧優生保護法について憲法違反であると厳しく糾弾したことは歓迎すべきことだと思う。また不法行為から20年が過ぎたら賠償を求める権利がなくなると言う『除斥期間』についても『著しく正義・公平の理念に反し容認できない』として認めなかった点は大いに評価したい。
今回の判決を受け国が謝罪をしても不妊手術を受けた人たちの苦しみは癒えないが、少なくとも心にひとつの区切りを迎えることはできたのではないかと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿